おなかがすかない、食事が食べられない、食べる気がおこらない、という症状には、病気が起因していることがあります。

がん、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、心不全、慢性腎臓病、甲状腺機能低下症、風邪、インフルエンザなどの肉体的な病気のほか、うつ病や認知症などの精神的な病気でも食欲不振はおこります。

他にも、加齢やストレス、飲酒などが要因となっていることもあります。

いずれの場合も、食欲不振と同時に起こっている症状を鑑みて診断するので、食欲がない以外の症状や生活状況などをしっかりと伝えることが大切です。

症状が数日から1週間程度の急性のものか、慢性的に起こっているのか、それと同時に起きている症状から、あらゆるケースを想定していきます。急性の場合には肉体的な病気に起因していることが多く、慢性的なものであれば精神的疾患がうたがわれます。とある調査報告によると、食欲不振のために内科病棟に入院した患者の約30パーセントが、がんであり、約10%が消化器系の疾患、その他の約20%が原因不明だったそうです。

おそらくではありますが、食欲不振の症状がみられる半数程度には、肉体的な病気以外の精神的疾患の可能性があると考えられるので、まずは、命の危険につながるような急性疾患やがんの有無を中心に鑑別を行う必要があります。その際に判断の助けになるのが食欲不振と同時に起きている症状で、急性であっても慢性であっても、体温や血圧、脈拍などから全身症状を把握のうえ、血算、肝機能などの一般的な生化学検査が行われることもあります。

また、患者の年齢や、患者のおかれている社会的背景や心理を考慮のうえ、その食欲不振は生理的な範囲ものなのか、病的なレベルのものなのか、心と体の両面から判断していく必要があります。