65歳以上の高齢者であれば、悪性腫瘍が疑われることがあります。一般的な血液検査に加え、貧血症状が出ていたら、消化器官内視鏡検査などが行われます。

さらには、認知症がはじまる年代なので、これが要因となっている可能性も疑います。認知症の進行に伴い、食事への意欲や関心が減退し、食欲がおこらないということは、しばしみられる症状だからです。

40歳から60歳くらいまでについても、悪性腫瘍の可能性加えて、うつ病を念頭において考えます。

10代から30代くらいまでの患者であれば、うつ病もさることながら、神経性無食欲症や、被害妄想のために食事が摂取できない場合などが疑われます。

このように年代により、ある程度の傾向が分かるのですが、食欲不振と同時に起こっている症状のなかに、精神疾患を疑う症状があった場合は、心理や社会的背景にもフォーカスしていくことが大切になってきます。これは、診断をくだすためだけではなく、今後の治療方針のための材料ともなっていくのです。

ただし、その場合、食欲不振を起こしている本人に、精神的な疾患があるという自覚がないケースもあり、その際にいきなり精神疾患を疑われると、不快に思うこともあるでしょう。抑うつ気分など精神状況について質問する理由について、しっかりとした説明があり、十分な身体検査と必要な検査を並行してくれるのであれば、すうなり受け入れられるかもしれませんが、どこの内科も必ずこのように対応してくれるわけではないので、食欲不振には精神的なものもあるのだということはある程度自覚しておいたほうがいいかもしれません。

また、心理や社会的な背景にその要因が認められても、それが病的なレベルのものなのか、それともある程度は許容できるものなのか、というところでも治療方針が変わってきます。