薬剤を服用しており、治療中の感染症が改善の傾向にあるのに熱が下がらないということがあります。

この際、内科医は薬剤熱を疑います。薬剤を服用していて、原因不明の発熱があった場合は、常に、この可能性を考える必要があるそうです。

薬剤熱とは、文字通り、薬剤により引き起こされる発熱のことを指します。特徴的な症状が見られないので診断が難しく、原因と推測される薬の服用を中止した際に、熱が下がった場合、薬剤熱だったと考えるわけです。

症状は、原因となる薬を服用してから3日から14日であらわれてきます。発熱以外の症状として、筋肉痛や頭痛、悪寒などがみられます。このような症状がみられるにもかかわらず、全身の状態が良好であったり、皮疹があらわれたり、通常の発熱時より、比較的、脈が安定していたりすることが特徴といえます。

薬剤熱の主な原因として、過敏反応があげられ、アレルギーを起こしてしまいます。抗菌薬や抗けいれん薬、アロプリノールなどを服用した際には特に注意が必要です。主にⅢ型アレルギーによると考えられています。

他にも、体温調節機構に作用する薬(エビネプリン、アトロビン、ヒスタミン措抗薬、抗うつ薬など)や、投与した部位の局所に反応して起こるもの(パンコマイシン,各種ワクチンなど)、薬理作用によるもの(化学療法直後の副作用による発熱など),特異反応によるもの(悪性高熱など)が原因としてあげられます。

薬剤熱が疑われたら、中止できる薬の服用を中止することが原則です。一般的には,投与を止めてから、48~72時間以内に解熱するといわれています。ただし、半減期の長い薬剤もあり、その場合、解熱までに時間がかかることもあります。